まったり~村お便り      No.68

2007年3月27日
先日家の前で放任されている鶏のお話をし、しばらくお肉にありつけそうもないと書きましたが、ついその翌日、お肉にありつくことになりました。おまわりさんが家に来て、「おたく、鶏飼ってる?」というので「はい」と答えると、「ちょっと、車で轢いちゃったんだけど。」とのこと。道路へ出ると、うちの鶏が横たわっていました。放し飼いにしていたので「ご迷惑をお掛けしました。」と言って鶏を抱き上げると、まだ暖かく生きているようです。それまでは抱き上げてもちょこんと首を上げて姿勢正しくしていた鶏が、全身を預けてきます。その日の夜、初めて鶏をさばきました。その鶏は近くの農家さんから廃鶏(卵を産まなくなったので処分する鶏のこと)として頂いて、はじめは人間が側へ行くと走って逃げていたのに、しばらくすると寄ってついて来るようになついて、また、放し飼いで好きな物を食べていたせいか、毛並みもきれいに揃って毎日のように卵を産んでいました。鶏を絞めるには、はじめに首を切って血を抜きます。その後、75度のお湯に漬けると羽が簡単に取れます。その鶏はお湯に漬けてもなかなか羽にお湯が浸透しません。雨の日も外で餌を食べていて、毛はぬれないで水滴として落ちていっていた様子を思い出しました。つややかな羽には油分が適度にあって、ぬれないようになっているようです。場所によって羽の形もさまざまです。人間が作り出したどんな一流品にもおとらない、または比較にならないのかもしれませんが、とても美しい姿です。胃袋は食べた物が直接入っているので人間は食べないそうです。その食べ物が砂肝に送られ、そこで食べ物をすりつぶします。鶏が食べた砂ですりつぶすので、砂肝と呼ばれるそうです。心臓、肝臓(レバー)、ささみ、胸肉、手羽、ももなど、部位ごとに分けていきます。鶏は卵を産む量が決まっていて、体内ですでにちいさな卵が産む分だけ用意されているそうですが、その廃鶏だった鶏には沢山の小さな卵が入っていて、まだまだ沢山卵を産めたことでしょう。ささみを刺身で、各部位を少しづつ、炭で焼いて食べる事にしました。1年以上経った鶏は肉質が締まっていて、濃厚な味に驚かされます。今回食べた鶏も、ささみはあっさりしているのに味が濃く、焼き鳥もこんなにおいしいものがあるのかと思うほどおいしかったです。レバーも臭みが無くさわやかで、砂肝は筋肉がこりこりして、全てが体中にじわ~とにじんでいきます。翌日にも味がどこかに残っているようです。恥ずかしながら、暖かい鶏を抱いたまま散々泣いたのですが、その鶏を食べる事によって、心身ともに、何かが洗い流され、何かが入ってきたような気がします。初めてさばいた鶏が、この鶏でよかったと思いました。(ついでに翌日出したトイレはとても立派で、流すのにためらってしまいました・・・)
さて、今回のお野菜は、


ジャガイモ、人参、長ネギ、下仁田ねぎ、大根、二年越し大根、菜の花三昧(白菜、たけのこ白菜、水菜、かぶ!)、ブロッコリー、かぶ、紅菜苔、しいたけです。先日包みながら新聞をみていたら、アブラナ科の野菜には解毒効果(デトックスとも言われています)があると書かれていました。体内の不要になったものを体外に排出する作用が強いそうです。白菜などはアブラナ科で、そのアブラナ科の生命が凝縮された菜の花は、さらにその作用が強いのでしょうか。また、春にある野菜はアブラナ科が多いような気がします。冬に新陳代謝がすくなくなり、身体に溜まった色々な物を出す時期なのでしょうか。ということで、これでもか、というくらいの菜の花ですが、おひたし、炒めてなど、色々にしてお召し上がり下さい。茹でてスパゲッティーと和えるのもおいしいです。しいたけもわずかですが田んぼの脇の川際にできていたのでどうぞ。今年はナメコと同様、新しい原木に菌を植えておいたので、うまく行けば今年の秋、おそければ来年春にはもう少しは出来ると思います。昨年10月にまったり~村へやってきた30羽のヒヨコが、卵を産み始めました!初卵はヒナの生命力がたっぷり詰まっていて、こちらの地元では妊婦さんなどには初卵が良いと言われています。皆様にも是非召し上がっていただきたく、少量ですが入れてあります。あっさりとした素直な味に驚きます。餌は地元でとれるクズ麦、ぬか、魚粉、蛎がらと、野菜くずや雑草などです。シルクロード長寿村というNHK番組では、長寿食は毎日雑穀と少量の野菜という同じような食事を食べ、それによりそれらを分解する腸内の微生物が増え、消化に特別な体力を回さなくてすむ、と言った話を聞きました。鶏は自分たちが食べたい物を土から探し出して、それを補う形で給餌すればよいのかなあと思っています。そのためには餌に必要以上にこだわるのではなく、住む環境をさらに整えて行きたいと思います。では、お体にお気をつけてお過ごし下さい。