まったり~村通信 No.117 5月30日

                        
かえるの声が窓の外から聞こえてきます。皆さま、いかがおすごしでしたでしょうか。
5月初旬に再開の予定を言っておきながら、このように遅れてしまい、大変申し訳なく思っています。
4ヶ月のブランクを経て、またお付き合いいただけたこと、とても嬉しく思っています。
どうもありがとうございます。
 遅れた理由、というか言い訳を再開出だしから書かせていただいてもいいでしょうか・・・
1つに、昨年の夏からはじめた不耕起栽培があります。畑を耕さない、ということは、土中の根を分断しすぎることが無いので微生物や虫たちの生態系を破壊しない、ということにもつながります。雑草の根が伸びることで土を耕してくれ空気を送ってくれます。雑草は土から上の部分を刈り、その場に置くことで根は腐食しその根を食べに微生物が増えていきます。しかし、この営みはとてもゆるやかで、寒い時期には微生物は活性化してくれません。春から不耕起栽培で行うのは今年が初めてでした。昨年同様、2月末に種をまき、3月末に定植をしましたが、地温がなかなか上がらず、キャベツなどは寒さで枯れたものもあります。4月になって気温の上昇が安定してくるとようやく地温も上がってきました。やはり、牛糞堆肥などを土に耕して入れることは、春のスタートとして、地温を早く上げる有効な方法なのかなあと思いました。逆に不耕起栽培にこだわるのであれば、自然に地温が上がるのを待ち、他の農家さんより1ヶ月くらい遅れる位の覚悟でなければならないと思いました。
2つ目は、1人が緊急入院してしまったことです。便秘と腹痛が続き、「便秘による腹痛だ」と1週間放置していたら、ある日の早朝、腹痛が激しくなり、救急車で運ばれ翌日開腹手術となりました。皆さまも単なる便秘、腹痛、などと思わず、何日間か様子を見て回復が無いようでしたらやはりお医者様に見てもらったほうが良いかもしれませんね。
ということで、野菜もせっかく育ったのに時期を逸してトウがたってしまったものもあり、来年の種取用になってしまいました。
また、退院して1週間後、猫のギャー太が交通事故で亡くなりました。ちょうど、去年の田んぼの準備をしていた頃に拾ってきたので1年です。日常の生活にあるべき姿が見えないのに慣れるまでは時間がかかりそうです。その翌日、海へ連れて行ってもらいました。夕方、雨も降っていたせいか、周りは霧で何も見えず、海だけは高く灰色に見えました。海岸へ降りると空の上のほうで風がゴーゴーと鳴り響き、たっぷりの海を押しているようです。押された波と戻る波がぶつかってシャワワワという泡の音と共に消えていきます。音の中に立っているかのようです。高い波が寄せては返り寄せては返りを繰り返しています。こんなにたっぷりの水にのまれたら、命なんてあっという間だなあ、と思いました。本当にこんな激しい水の中から生物が生まれてきたのか先祖が誕生したのか、考えられませんでした。また、こんな豊潤な水の中に浮かんでいる貴重な陸地に生きている幸運さを感じると共に、その中であくせくして生活しているなんて、海から見ればありんこと同じ様なものなんだろうなと思いました。
なんとなく気持ちが吹っ切れ、田んぼの方もめどが立ち、再スタートとあいなりました。
野菜だけでなく、野菜つくりとその生活を通して感じたことも一緒に送ろう、という気持ちではじめた「まったり~村通信」ですが、マイナスの面はなるべく書かないようにしていました。でも、実際この生活を始めて、楽しいこと、ワクワクしたこと以外にも感じたことがたくさんあります。今回の件で力が抜けてしまい、人を不快にさせない範囲で、感じたことを正直に表現していけたらいいのかなと思いました。
忙しくなったらたくさんは書けないかもしれませんが、今後もご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。皆さまも、何かありましたらFAXなりメールなり、お便りいただければ幸いです。
では、お体ご自愛の上、お過ごしください。(Kyoko)


●●●本日のお野菜セット●●●
初出荷!ちょっと出来すぎのもあれば丁度食べごろのものも。みんなまとめて出しちゃいます!虫さんもいらっしゃるかもしれませんので、よおく洗ってお召し上がりくださいね。
・水菜 生のままサラダや、茹でてサラダ、煮浸し、おひたし、胡麻和え、汁の実、鍋、炒めたりと幅広く使えます。
・アートグリーンちりめん菜 生では食べないようです。炒めたり、汁の実やおひたしなど。(水菜と一緒に包まれているもの)
・大阪高菜 赤いたか菜です。辛味と風味があるので、塩もみ漬物や煮浸しなど。内側の小さい葉はサラダに入れてもおいしく食べられます。
・レッドサラダボール 寒さにあうと赤が濃くなります。根っこと葉先と異なる味わいをお楽しみください。
・サニーレタス しゃきしゃきした食感で、サラダはもちろんおひたしや炒め物にもむいています。
絹さやえんどう 斜めに細切りして炒めたり汁の実など。
・スナップえんどう 端と筋だけおとして、そのまま塩コショウで炒めるのがお勧め。一緒に卵や、玉ねぎ、豚肉など入れてもいいですね。茹でて豚肉で巻いて甘辛く煮たり、シンプルに胡麻和えなども。
・葉大根 炒めておかか和え?
・赤丸20日大根 サラダなどのつけ合わせに。フランスでは大根の先っぽに十字に切れ目をいれ、バターをはさみ、塩をつけて食べるそうな。葉っぱはジャガイモのポタージュにミキサーにかけた葉を入れて煮込むそうです。そのまま塩漬けでも。
・ブロッコリー&スティックセニョール 両方ともおまけの少量です。あっという間に花が咲いてしまいますのでお早めにお召し上がりくださいね。スティックセニョールはブロッコリーに似た、茎の長い品種。ブロッコリーと同じように調理します。長く柔らかい茎の部分をお楽しみください。
・ハーブ(オレガノ) 卵焼きに入れたり、スープに入れると風味が出ます。または熱湯を注いでハーブティー。ざるに広げて日陰干しすると保存できます。
今年の野菜は去年と比べて甘くない?と思いきや、後味にいろんな味がしてさわやかです。
堆肥や肥料分を少なくすると、野菜そのもののすっきりとした野生的な味が楽しめるとのことですが、いかがでしょうか・・・?
気温も高くなってきていることと思いますので、早めにクール便をご希望の方はお知らせください。
クターっとなってしまったお野菜は、一度水に漬けてあげて元気になったら、ぬれた新聞紙などで包み、ビニルへ入れて冷蔵庫などで保存してください。本当は冷蔵庫へ入れないほうが味はおいしいのですが、そんなに一気に食べれませんよね。切って軽く太陽の光にあててあげると、味が凝縮しておいしいそうです。おためしあれ。