出た

保健所に問い合わせ、先月より今まで卵を産んでくれた鶏を、お肉として販売する事にした。
遅れながら先週、市の放射能測定に提出し、結果が出た。
昨年も検査し、検出限界値3ベクレルの機器で、不検出。
今回肉と同時に提出した卵は不検出だったが、肉からは11.86ベクレル/kg検出された。
国の基準は100べクレル、生活クラブの鶏肉の基準は20ベクレル。
正直、ショックはじわじわきた。
検査通知が来た日も、解凍したひき肉でマーボ豆腐。出汁が出てやさしい味がする。
解体業者の方にも
「内臓がきれい。水がきれいじゃないとこうはならない。臭みのない美味しい味でしょう。」
など褒められた。
実際モツ煮にしたとき、煮こぼすはずの汁を一口飲んだらうまくて、そのまま出しに使ったら甘く澄ん
だ味のモツ煮が出来た。
焼肉屋で働いていた旦那の友人が、焼き鳥で食べたら絶賛。
嬉しくって、ようやく自信がもててきた矢先だった。
常陸太田市朝市に向けて解体業者に解体を委託した後に検査結果が出た。
業者に連絡したら、すでにパック詰めにしたとのこと。
引き取りに行き、代金を支払う。解体業者には「私たちもできれば内臓はあまり触りたくない」と言わ
れる。(というか、こちらから聞いた)
朝市で販売することに対して、迷った。
今まで野菜を出荷していた基準は「自分達が食べたくない物は売らない、自分達が食べる物は売る」だ
った。
マーボ豆腐を食べながら、
検査結果を提示して売ろうか、と旦那が言った。
私も賛成だった。
しかし、注文を受けていたレストランに販売する事はやめた。
どんな人が食べるかわからないから。
弱っている人や老人、妊婦、子供には勧めたくないと思った。
レストランに何かしら影響を与えたくないとも思った。
事前予約を受けていた複数の人に連絡をとった。
数値を知らせた上で、どうする?
「やめる。。。。いや、やっぱりもうちょっと調べてから返事する→売ってください(生活クラブの基
準以下だから。)」
「今回は見合わせる」
「大丈夫。売って!!」
さまざま。
レストランに販売しない理由を矛盾ない形で考えれば、数値を提示して販売しても、
数値を知らない家の者が食べてしまう可能性があるなら同じでは?
だったら売らないほうがいいのか。
「消費者の反応が見たい」と旦那は言ったが、
数値を提示する事で、数値が検出されていない卵や野菜まで疑われたらどうしよう、
「そんなものを平気で売る農家」として認識されたらどうしよう、
飼い方の異なる、地元で養鶏をやっている人たちにまで迷惑をかけたらどうしよう。
気弱になってきた。
朝市の主催、常陸太田市農政課に相談した。
「基準値以下だから大丈夫です」
それはそうか、これで売るなといったら市の基準はなんなのかということになるのだった。
売って気分の悪いものは売らない。
考える時間が少なかったため、結論が出なかったので、夫婦で合意の下、販売はしなかった。
朝市では何人かに相談した。
知り合いがお客さんで来てくれたり、役場の人が話に来てくれたり。
帰り際に福島県白川郡の友人が来てくれて、一年以上ぶりに再会した。
白川の状況を聞くと共に、こちらの状況も話した。
鶏肉のことも話した。一年以上経った今でもいろんなことが起きている。
朝市は、嬉しい。
色んな仲間と会える。
色んなお客さんと会える。
話しができる。顔を見ることが出来る。
地域社会って、学校みたいと思う。
クラスが代わってもたまに見かけて挨拶して元気を貰う。
卒業がなくて、たまに転校生や転入生がいるけど、
年を重ねるごとに自分を知ってくれる人が増えていく。
地域って、心強くて頼もしい。
状況や気持ちやなにげないことをシェアできる人が身近にいることを嬉しく思う。
家に帰ってきた。
数値を伝えても「売って」、と言ってくれた人には結局あげる事にした。
いつでも捨てる事に躊躇しないため。
今回は真空パックにつめたのでうちが引き取ったが、国の基準100ベクレル以下であれば、解体業者が
引き取ってラーメン屋やハム会社におろすこともある、というかできるとのこと。
数値が提示されていなければ、根拠のない安心感か、「まあ、いいでしょう」と購入するが、数値が書
かれていたら躊躇してしまうのかな。
人の反応を見るのが怖くて、今回はその結果を見ずに、想像だけで逃げた。
今までも逃げていた部分があると思う。
「出てないから大丈夫だろう」とたかをくくっていた。
そのつけが、今回まわってきたかな。
先輩農家が昨年すでに決断したところにようやくたどり着いた。
今までもやっていた検査だが、もっと緻密にこまめに検査しよう。
検査データの蓄積によって、原因因子を減らすこともできるかもしれない。
とりあえずは、今までは長生きさせていた鶏の、固体の入れ替えの時期を早める。
自分たちの販売基準を感覚ではなく、きちんと決める。
早く美味しい鶏肉が、喜ばれるだろうと胸をはって人にあげられるよう、
これからだな。
生活クラブに入っている母に電話したら「11ベクレル!高いわね!」
「やっぱり都会人はそうくるか」と思っていたら
電話の最後に
「え?空気のマイクロシーベルトとかと違うの?」
と言われて気が抜けた。
そりゃあ11マイクロシーベルトは高いだろうよ。
消費者なんてこんなもんだ。
がんぱっていこう。
ちなみに放射性物質に関する自分の感じている事は
注意して書きますと、まったくもって自分の感じている事、主観です。
マクロビオティックという食養生では「放射線は極陰性」となっていて、陰性とは山菜等に見られるよ
うに食べると体が弛緩する、例を挙げるとだるくなったり便がゆるくなったり。とな。
「放射性物質は見えないもの」といっているけど、
本来人間だって感じる事が出来るのではないか、と実はこっそり思っている。
上にあげたようにだるくなったり便がゆるくなったり鬱になったり。
ガンだって突然重度のガンになるわけではなく前兆が何かしら現れているはずだし、他の病気もそうな
んじゃないだろうか。
東京にいたときは色んなお店の色んな食材を買って料理したりお店で食べたり、場所によって空調がま
ったく違っていたりなどなどで体調と原因の因果関係は推測するのは難しかったですが、
こちらに来て食材の買い物をほとんどしない生活に切り替え、毎日太陽の下や空調の一切ない生活をし
ていたら、なんとなく自分の体調と環境の因果関係が少しは推測できるよう(というか思い当たる点を
みつけられるよう)になった気がする。
もちろんあくまで、自分個人の主観。
ということで、思い当たる節があったら、それをしばらくやめてみる。
食品であったら他の食品で調整したり、私が今一番有効に感じるのは太陽にめいっぱいあたって土をい
じる事、かなあ。あくまでここらへんでの話し。
感覚を高める、対処する、そしてそれが体験的にだるさ、ゆるさ解消にはけっこう有効な時が多い気が
する。だから放射線などがとくにガンとか自分の将来の怖い病気にストレートにつながるとは考えてい
なくて、自分と体、自分と食べ物、自分と環境とのコミュニケーションだと結局は考えています。
震災直後、雨どいからの水をいつも飲んでいた妊婦ネコが健康優良児を去年4月に生んで今年も生んだ
。(貰い手募集中;;)まあ、それはどうでもいいんだけど。希望者がいれば後で動画か写真アップし
ます。すみません。
震災以降、自分の意見をネットで伝えるのはだいぶ躊躇していた。
今回便秘気味なので、放出!
言葉なんて木の葉のように落としては養分になって違う葉を作るんだから、
さっさと出したい。現在社会は言葉の束縛に縛られすぎな気がする。
行動が今なら言葉は過去だろうに。
脳みそヒートオーバー。おやすみなさい。