まったり~村通信 No.151           2009年2月19日

旧暦のお正月、今年は1月の26日を越したあたりから徐々に風の冷たさがやわらぎ、お布団の中で伸びをするくらい体におだやかな気候になってきたかと思いきや、昨日からは風が強く、お日さまの下は暖かなものの風に体温を奪われるようで、また厚手の婆シャツ、毛糸の帽子、毛糸のマフラーが活躍し始めてしまいました。
今は何をやっているかというと、ハウスつくりです。私たちが住んでいる家の前には、里美村を出たものの田んぼをやりに街から帰ってくる時用に家があったのですが、おじさんが身体を壊してもう田んぼはやらないとのことで、家も壊してしまいました。私たちはといえば畑は分散していて道具も分散している状態。地主さんが「どうだい?」ということで、お借りすることになりました。その場所に野菜の苗を育てる育苗ハウスを作ります。その中で落ち葉を発酵させて暖をとる「踏み込み温床」というものを作り、その上で、今の時期からキャベツやレタスの苗、次にトマトやナス、ピーマンの苗などを作っていきます。落ち葉をうまく発酵させると30℃から40℃の熱を2週間くらいは平均して提供してくれるので、苗床の土は25度くらいを保つことが出来ます。うまくできているものですね。夜は毛布をかぶし、朝温かくなってきたら毛布をはずします。温度が高すぎたら扉や横のビニルを開けて風を通します。土が乾いてきたら水をやります。苗のうちは子供のように手間がかかって、始めたら外出するにもちょっと心配です。
とはいうものの、1月2月は農家にとって比較的時間が取れる時期でもあります。以前福島県で行われ参加した「農村都市交流指導者育成講座」を企画したあぶくまエヌエスネットの卒業生が、自分でたてたログハウスにて、紙すき、蕎麦うち、そして交流会、というのを企画してくれました。役場で定年まで働いた方で、野鳥や自然、セルフビルドなど、多彩な趣味をきちんとものにされています。紙すきもその村の85歳の紙すき職人の方から指導を受け、材料のこうぞやとろろあおいを栽培し、薪で蒸したり煮たり、20日以上かけて紙を作ります。作った紙は「破いてみて」と渡されましたら、力を入れないとなかなか破れません。ログハウスもとても素敵でした。私たちは交流会からの参加だったのですが、懐かしい顔ぶれがいて、どうでもいい笑い話から、さりげない生活(精神面?)へのアドバイス、とても楽しく心強く感じました。
また、卵のお客様で料理屋さんをやっている方がその方のお友達を呼んで「異業種交流会」というか、単なる飲み会を開催してくれました。1品持ち寄りです。珈琲屋さん、天然酵母のパン屋さん、豆腐屋さん、蕎麦屋さん、さかなやさん、石屋さん、紙すき職人さんなどなど、みな作り手の方たちばかり。とても刺激になっておもしろかったです。
さて、今年は初心に帰って、私(郷子)の方は、近所の有機農家の先輩の元で野菜作りの研修をさせていただくことにしました。農法は異なるものの、基本を今一度きちんと学びたいという思いからです。でも、この2年間で違和感も感じています。それはまたおいおい書くとして、体力も無理しない限り復帰して来ていますが、自分の体力もわかってきたので、自分のペースで一つ一つきちんとをモットーに、そして人との交流を大事にやっていきたいと思います。